サファリ(5)禿鷹とハイエナ

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 ヒッポ・プールでのランチを終えて、アフタヌーン・サファリをしながら、マラ・セレナ・ロッジに向かう。この保護区には、ヌーやシマウマが溢れている。しかし我々のジープは、敢えて彼等の姿の見えない、草原に分け入った。そこには、ライオンの一団が居た。数匹の雌ライオンとその子供達が、のんびりと寝そべっている。我々の車が近づいても、動ずる気配はない。やがて、その中の一匹が、のっそりと立ち上がって、少し場所を移した。腹が異常に大きい。妊娠中かなと思ったら、ガイドがあれは食べ過ぎたせいだろうという。そう言えば、みんな満腹で、眠そうな顔をしている。一団と少し離れた所に、雄ライオンも眠っていた。車のエンジンの音に、顔を上げるが、またすぐに眠り込んでしまう。彼も満腹で、よほど眠いに違いない。

画像 ライオン達が満腹だという事は、近所に狩りの跡があるに違いない。我々の車は、禿鷹(Vulturesの飛ぶのを目印に、再び草原に分け入った。そこには、血の色の生々しい、ヌーの肋骨が、ほぼ原形をとどめていた。殺されてから、まだ数時間と経ってはいまい。美味しそうなリブ(骨付き肉)に、数匹の禿鷹が、嘴を入れている。その周りには、十数匹の禿鷹が、羽を休めて、獲物を見守っている。どうやら彼等は獲物に近づく順番を待っているらしい。時々、禿鷹同志の喧嘩も見られる。



画像 ハイエナが近づいてきて、肋骨の位置をずらす。禿鷹は、それに抵抗する様子も無く、ハイエナが食べるのを、黙って見守っている。禿鷹にとっては、ライオンもハイエナも同じなのだろう。強い者に刃向かうほど、禿鷹は馬鹿ではない。獲物は大きいいのだから、待てば必ずおこぼれにありつける。

 翌日のアフタヌーン・サファリで、同じ場所を訪れたら、数は少なくなっていたが、禿鷹は、まだ肉をついばんでいた。しかし肋骨は、すっかり肉を剥ぎ取られて、綺麗に白くなっている。昨日とは別のハイエナが一匹、骨に近づいてきた。ハイエナは顎が強いので、骨を砕いて、骨の髄をしゃぶるのだという。禿鷹は、そのまたおこぼれの骨の髄をついばむのだろう。草原の掃除屋は、ハイエナと禿鷹の共同作業らしい。

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