3―7)レディ・フィンガー


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 夕暮れ近く、無事フンザ・ダルバール・ホテルに到着。早速ホテルの屋上に上がって、山の夕日を眺める事にする。苦労して到着した、フンザの景色は又格別。ヒマラヤ、カラコルム、ヒンズークシの3つの大山脈に囲まれた、高度2千5百メートルの杏の里は夕陽に染まり、雪を頂いた7千メートル級の山々が、四方から迫ってくる。山の斜面は杏の花とポプラ並木。言葉や写真では表現できないほど美しい。今までの疲れが、一気に吹っ飛んでしまう。皆で歓声を上げながら、あちこちでカメラを構える。このホテルは、フンザの王様の所有で、フンザの中でも一番眺めの良い場所に建っている。どの部屋からも、山々が眺められる。僕の部屋からは、レディ・フィンガーの特徴ある山頂が、ポプラ並木の間にくっきりと見える。写真は翌早朝、レディ・フィンガーの日の出を見に行った、ドイカル村にて。

 パキスタンはイスラム教国なので、アルコールは禁止されているが、フンザは特別。このホテルでは、食前酒もOK。せっかくなので、フンザ・ウォーターを注文する。この土地の杏から作られる焼酎で、500CCのペット・ボトルに入っていて、外観は水と変わりない。値段は600ルピー(約1500円)、ホテル料金なので少々高い。ぶどう酒の製法との連想からか、辛口を赤、甘口を白と呼んでいる。赤は杏の種まで使うのか、杏仁豆腐と同じ香りが鼻につくほど強い。

 4月16日。パキスタン第四日目。午前4時起床。ジープに3人づつ分乗して、ドイカル村へ日の出を見に出かける。ホテルを4時半に出発して、真っ暗な山道をジープで40分ほど登ると、空が明るくなりはじめる。茶屋の前でジープを下りて、徒歩で10分ほど登ると、目的地の山頂に着いた。このあたりの高度は3千メートル弱とか、気温は5度。冬物のジャンパーと皮手袋が役に立った。カラコルムとヒンズークシの7千メートル級の山々が、朝日に次第に染まってゆく様は、荘厳な感じすらする。ヨーロッパのアルプスは、どことなく優雅だが、フンザの山々の景色はむき出しの自然である。ジープが一台やっと通れる、崖っ淵の凸凹道は、暗い時の登りでは、何とも感じなかったが、明るくなってからの下りは、スリル抜群。ホテルに帰って7時から朝食。


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